言の葉と文字列のあいだ

少しの間、あなたの時間をください。

「経済効果」?そんなものあるのか?

 今日僕は夏季休暇でお休みをしたのですが、全国的にこの夏一番の暑さになったところも多いらしいですね。まだお仕事中の方は大変お疲れさまです。熱中症にならないように、引き続きお気をつけください。

 さて、僕は明日から1泊2日で近くの山にキャンプに行こうと計画をしています。明後日は初めての「山の日」ですし。ということで、ぼちぼち準備などをしていたら、Yahoo!ニュースでこんな記事を見かけました。

headlines.yahoo.co.jp

 おなじみ「経済効果」の話です。第一生命経済研究所の試算によれば、ちょこっと法律を改正して8月11日を祝日にしただけで、なんと数千億円の経済効果があるんですって。打ち出の小槌かよ。そんなに経済効果があるなら、年間であと10日祝日を増やせば、年間数兆円の経済効果があることになるんじゃない?ということになりますね。

 例えば、こういう考え方もできます。今は6月に祝日がないので、ぜひ作ってほしいですよね。またちょこっと法律を改正すれば祝日にすることは可能です。ネーミングは「絆の日」とかなんか適当につけておいて、春分の日秋分の日みたいに、絆の日は暦の上で大安にくるようにしたらどうでしょう。ときはまさにジューンブライドで結婚式が真っ盛りの時期、日本中で「じゃあせっかくだし結婚式でもするか」みたいな人が続出して、「山の日」などはるかに凌ぐ経済効果があるかもしれません。

 まあそんなことを言いながら、本当は僕が6月に仕事を休みたいだけなのですけど。

 それはさておいて、「経済効果」ってそもそも僕は全然信用していなくて、ものすごくいい加減で都合の良い数字なんじゃないかと考えているのです。

 山の日の経済効果が数千億円って言ってますけど、これは「新たに祝日になったこと」をトリガーとして「どれだけのお金が動くか」という推測値の累算に過ぎません。僕も、キャンプに行くための準備にお金も使いますし、移動ももちろん、着いてからも多少はお金がかかります。それは確かに動いているし、まあそういう人が日本中に何人ぐらいいて、一人平均いくらぐらい使って、という累算をしているわけですね。これを仮に「経済効果(α)」としましょう。

 でも、僕は明日からキャンプに行くために、今年はお盆の帰省を止めることにしました。だって、もし帰省するならキャンプから帰ってきてすぐに準備して出発しなければならないし、旅行に2回続けて行くようなものだから、いろいろ大変です。これは、本来動くはずだったお金が動かなくなっているのですが、こういうマイナスの効果も必ずあるはずです。これを仮に「経済効果(β)」としましょう。

 本来は、プラスの効果(α)からマイナスの効果(β)を引いた値(α-β)が正しい経済効果の近似値のはずなのですが、それはほとんど考慮されていないようです。僕の場合、キャンプに行くよりも帰省する方がお金がかかるので、僕に対する「山の日」の経済効果は完全にマイナスです。

 「絆の日」も、何だか効果がありそうに書いてみましたけど、実際は経済効果なんか全くありません。だって、結婚をするカップルの数が増えるわけじゃないし、別の日に結婚式をする予定だった人が「絆の日」に移動してくるだけです。もしかしたら、式場の予約が取れず「それならもうやめようか」っていうカップルが出たりして、マイナスになる可能性すらあるわけです。

 日本国内にある「お金」の総量は一定ですから、数千億円というのは、右から左に移動するだけ、しかもその影響で逆に移動しなかったお金は全て無視、という数字なんです。別に富が新たに生まれるわけじゃなく、一方向の通過量を見ているだけ、という感じでしょうか。しかも、ものすごく恣意的に作られた数字の場合がほとんどなので、読売新聞もよくこれを記事にするなあと言うレベルの話だと思います。

 ついでなので書いておきますが、2020年の東京オリンピックの経済効果について、何とあの日本銀行が試算して「最大30兆円の経済効果がある」と発表しています。一応ソースを示すためにリンクを張っておきますが、意味のない資料だしPDFなので別に見なくてもかまいません。

https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2015/data/ron151228a.pdf#search='%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF+%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%8A%B9%E6%9E%9C'

「そんなわけないじゃん」です。日本の国家予算がいくらなのか考えてみれば分かることだと思うのですが...。

 では。